ACコンプレッサークラッチ交換

2009年某日、クーラーが効かなくなった。ガスは数週間前に充填したばかりだったのですが、走行中に急に効かなくなったのである。
ありがちなのはソレノイドの故障だが、調べてみるとクラッチが丸ごと無くなっているではないですか!
全く気付かなかったが、恐らくセンターのナットが緩んで走行中に脱落したと思われます。
後述のとおり、決して小さな部品ではないので、脱落した際に他の場所にぶつかってダメージがなかったのは不幸中の幸いかもしれません。
コンプレッサークラッチ

コンプレッサークラッチ部

クラッチだけであれば、パーツさえあればガスも抜かず車上での交換も可能なはずです。まず中古市場のリサーチから。
私の車はMSC90C12というコンプレッサーで、フロン12から139Aの過渡期のもの。また、P/NはAKC201A202というやつでしたが、ここの違いでプーリーの大きさやオフセットが異なるようで、コンプレッサーの形式が同じでも代用できるというわけではないようだ。このためよほど運が良くないと安価な中古は入手できません。(リサイクル業者などから出てくる完動品は結構高い値段で取引されていますね。)
新品はソレノイドとクラッチのアッセンブリー交換となり、パーツ代だけで2万5千円くらいするそうです。
幸い、ACコンプレッサーのストックがあったので、これをバラしてクラッチのみ移植することにする。
物持ちが良いと、こういう場合に助かります。こうして、捨てられない症候群が悪化するわけですね。(笑)

クラッチの取り外し

クラッチの取り外し

コンプレッサー側

コンプレッサー側

取り外したクラッチ

取り外したクラッチ

さて、分解方法ですが、回り止めの穴に棒でも突っ込むのかと思いきや、どうやらセンターナットの周囲の3つの穴に専用工具を差し込んで回り止めにするようだ。
そこで、クラッチを動作させて弛めることにする。ボディ側をGND、コネクタ側に+12Vを接続すればプーリーと軸はロックされる。かなりの力でロックされるので、センターナットを緩めるトルク程度なら十分耐えるはずです。
プーリーを万力で固定していますが、このようにする場合は締めすぎてプーリーが変形しないように注意してください。
写真では電源装置を使っていますが、4,5A程度の電流が流せればば良いので、自動車用のバッテリーでも代用できます。

センターナットはセルフロッキングとなっていますが、念のためロックタイトを塗布して組み付けました。ナットの締め具合で、クラッチのクリアランス調整を行うようになっているので、ほんの僅かに引きずる程度に締め付けました。当たりが出れば引きずらなくなるでしょう。